ヘッドライト・テールライト

 「マッサン」の主題歌「麦の唄」を紅白でフルコーラス聞いて、やっぱり中島みゆきはすごいと思った方もおられると思うが、桜坂劇場で彼女の劇場版映画「縁会」が上映中だ。出口の見えない20代の暗い思いを抱えて部屋で聞いていたレコードから流れていた曲の数々。切なく美しく輝いていた大都会の夜を思い出させるコンサートの情景。当時の自分が愛おしいような叱りつけてやりたいような気分になった100分であった。

 ラストの曲は「ヘッドライト・テールライト」、50代60代は正にこの二つに照らされた時代かもしれない。消すことの出来ないテールライト、まだまだ遠くまで示すことの出来るヘッドライト。そしてこの二つは「自分」という車で繋がっているのだ。

 60代になる中島みゆきさんがこれからどんな歌を歌っていかれるのか、「同時代に生きる幸せ」を感じながら私も頑張ろう。ヘッドライト・テールライト、旅はまだ終らない。