エドワード・ホッパー「朝の日ざし」

 このブログは最終的に活字の本にすることを目的に書いているもので、本にする時の表紙に考えていたイメージがある。月の光に照らされた部屋のベッドで一人の女性が静かに腰かけ窓の外を見つめているというもの。その構図とほとんど同じ印象の絵を夫を連れて行った散髪屋さんで偶然手に取ったアメリカ画壇の画集で見つけた。エドワード・ホッパーの「朝の日ざし」である。解説によると、彼が描く孤独な人物像は物思いに沈んで引きこもり人間関係を絶っている。彼の描く輝かしい澄んだ光は明るいが決して暖かくはない。

 確かに月光に照らされているというイメージにはセンチメンタルな甘さがあるが、この絵の朝日には更に厳しい孤独が感じられる。何処かの都市に出かけてホテルに泊まり、朝、カーテンを開けた時にこんな感じを受けることがある。出来たらこの絵を表紙に使いたいな。彼の画集も図書館で探してみよう。こんな風に世界が広がっていくのは楽しい。