植物の力

 一昨年広島から引っ越す時に連れて来たシクラメンデンドロビウムの鉢は去年はどちらも蕾一つつけることがなかった。沖縄との気温の差になじめないのだろうと思ってずっと気にかけてきたのだが、今、それぞれ沢山の花を咲かせている。自然の適応力はすごいものだ、そして植物が人に与えてくれる力も大きいものだ。

 長い間動物が身近にいる暮らしをしてきたが、最後の猫が亡くなってもう半年以上が経つ。温かく柔らかな生き物がそばにいないのは何とも寂しいものではあるが、命を預かる重さから解き放されてたいそう楽になったのも事実だ。今の気持ちとしては、犬や猫はもちろん、小鳥も金魚も預かりたくないし、もっと言えば花が咲く植物も近くに置きたくない。うまく咲かせられなかった時がせつないからだ。そんなわけで、多肉植物に魅力を感じ、そのささやかで小さな変化を楽しむのが身の丈にあっていると感じる。サボテン男子なるものも最近は存在するようで、その気持ち、わかります!