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私の付加価値

「新聞とかとか雑誌によく女のエッセイストが身の回りのあれこれについて、読者の皆様よりは、ほんの少しだけ鋭い感性の光るエッセイを連載しているでしょ」と語るのは金井美恵子「お勝手太平記」の主人公アキコさんである。ぐさっときちゃいますよね的を得ているから。世の中の奥さんよりほんの少しだけ文章を上手に書くことができる私に付加価値を付け得るとしたらそれは何かと考える。

 62才で倒れて障害者となった夫。

重い言語障害は彼が今後の人生を生きていく上での大きなハンディキャップとなったし妻である私の大きなストレスともなった。しかしそれは誰もが体験出来ることではなく、角度を変えて見れば大いなる財産でもある。特に今私が考えているのは、もし我々に孫が誕生し、その孫が言葉を獲得していく発達段階に言葉を失っている夫が立ち会った時、どのようなことが起きるのか又は起きないのかということである。実に興味深い実験である。私はこれらのことをつぶさに記録しておきたいと考えている。そしてそれを発表したい。

 しかしながら孫はまだこの世の中に存在しない。待ち遠しい・・・・・。