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猫を猫と呼ぶ

 フランス語で "Appeler un chat un chat" 直訳すると猫を猫と呼ぶ。 ものを率直に言うことのたとえだ。先日亡くなった母は猫を猫としか呼べない質の人で、おそらく私もそのタイプだが、母の4歳上で今88才の伯母は少し違うように思う。この伯母とは数年前に私の夫が伯父(故人)と同じ病を得たことから心を開いて話すことができる間柄となり、私の中で大きな存在となっている。華やかな職業婦人だった私の母の陰に隠れて地味な印象だった伯母が実はとてもクレバーでユーモアのある女性だったことに気づいて私は彼女に憧れている。猫を猫と呼んで当然だった母は崇拝されることもあるが嫌われることも多い人で、それを私は好きではなかったのに最近は似てきていると指摘されたりもするので要注意だ。伯母ならば「おとなしい虎」とか「可愛らしいライオン」とか言えるのだろうか、それともやっぱり「猫は猫よ」と笑うだろうか。

    

     (沖縄タイムスくさぐさ:2015.12.30)