自由になる

 最近、小説を書いている。

 私が初めて人に読ませるために小説を書いたのは18才の時で「小説ジュニア」という雑誌の新人賞に応募した「ふり向けば風」という70枚くらいの作品。

当時流行っていた布施明の「シクラメンのかほり」をテープで繰り返し聞きながら創作の世界に浸った。

 それから小説を読むことは好きでも自分で書こうと思うことは一度もなく40年の月日が流れた。

 そしてふとしたことから「沖縄タイムス」の女性投稿欄に400字エッセイを送って何度も掲載してもらうようになり、これが転機となった。

昨年10月に亡くなった母の最期をどうしても書いておきたいと思い、30枚の短編にして高齢化社会をテーマにした文芸賞に応募した。

結果がわかるのは8月だが、自分としては納得の出来だったので、かえって結果は意外にもあまり気にならず、次に進もうという気になっている。

 今、BGMにしているのは古謝美佐子さんの「家路」。とてもいい。

そして何だか最近、心が自由になってきているのを感じている。

長いこと苦しめられてきた義関係の人々との軋轢から少し解き放たれて気持ちが楽になっているのだ。

 書くことは自分の中に入り込むこと。そのことが思いがけず私を救ってくれているようだ。40年前の私もきっと書かずにいられない何かを抱えていたのだろう。そして救われていたのだと思う。

 これから私は自由になります。