マダム・イン・オキナワ

 

病気をして色々なことが不自由になった夫と息子夫婦の住む沖縄に移って一年が経ち、日々の生活に慣れるうちに自分の内に燻り続けるようになった「何かが足りない」という思い。このまま何もしないでいいの?もしかしたらまだ30年も生きなくてはならないかもしれないのに?

 先日桜坂劇場で「マダム・イン・ニューヨーク」を観て来た。料理上手なだけが取り柄と家族に軽んじられている主婦のシャシが自信と笑顔を取り戻していく話だ。

「恋はいらないの、欲しいのは尊重よ」

「自分を救うことが出来る最良の人は自分」

聡明で美しいシャシの言葉が深く心に残った。

 今の自分を救うことが出来るのは自分しかいないということ、私もわかっている。すぐには出来ないかもしれないけれど、生きている意味を感じられる何かを探しながら前に進みたい。

人生は長いし人生は短い。

シャシ、私もオキナワで頑張ってみます。

              (沖縄タイムス:くさぐさ:2014.8.20)