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メッセージ

 

 桜坂劇場で「メッセージ」を観た。

「グソーや雨垂いぬ下」あの世は雨垂れ、軒下ほどのそばにあるという意味だが、同じような言葉をクリスチャンだった母から聞いたことがある。

「死ぬということは襖を開けて隣の部屋に行くと同じこと」。

 映画は沖縄戦の末期に壕の中で母親の手にかけられて命を落とした幼い女の子の話だが、現代社会の中では親からの虐待で亡くなる子どもが後を絶たない。

 先ごろ亡くなった母は

「親に愛されなかった子ども達をかわいそうと悲しまなくてもいいのよ、あの子達は今は神さまの庭で本当に楽しそうに満面の笑顔で駆け回っているのだから」とも言っていた。

 自分の非力を感じることはたくさんある。

 救えなかった命を思う時、「生まれてから死ぬまでが人生ではない」と考えてみると、少しだけ心が解放される気がする。

 それにしても雨垂れの音を聞く能力の無い私、亡き母も犬も猫も誰も訪ねて来てくれないのです。

        (沖縄タイムス くさぐさ:2016・4・19)